紙ヒコーキも鶴も折れない、手裏剣なら折れる
昔から折り紙が好きな子供だった。多分幼稚園の頃から。
とはいえそんなに難しいものは折れなかった。パックンチョとか奴凧とかそんなもん。とにかく折り紙を折ることが好きだった。
金とか銀の折り紙はとっておく派だったけど、なんでもない日に躊躇なく使うようなそんな奴だった。
そんな僕が折り紙で一番好きなのは手裏剣。今でも紙さえあればいつでも折れる。折り紙で出来る鋭い角とか、2色の紙が中央で交わるところとかすごく好き。
もう捨てちゃったかもしれないけど、昔は実家に手裏剣ボックスという名の、自分で作った手裏剣が格納されている箱があった。当時50〜60枚くらいは入っていた気がする。
そんな感じでおりがみリソースを手裏剣に全振りしてしまったため、男の子なら誰でも折れる紙飛行機や鶴が全く折れない。今でも。
小学生の頃に紙ヒコーキ大会があった。自分だけ全く折れず、ただ縦に折っただけの紙飛行機とも呼べない代物が出来上がった。ぶっちぎりの最下位。手裏剣作って投げた方が良かったすらある。
折り紙で一番嫌な思い出がある。忘れもしない中学2年の頃、道徳の時間に広島へ千羽鶴を送ろうという話が急に持ち上がった。
当然鶴を折れない僕は先生(年配の女性)に「鶴折れないんですけどどうしたらいいですか?」と言った時の先生の顔は今でも忘れない。
はぁ?鶴も折れないの?冗談でしょww
これは実際に言われた。絶対に忘れない。鶴を折れないやつに人権なんて無いと言わんばかりに。この日を境にこの先生のことを嫌いになったし、後にも先にも先生を嫌いになったのはこの人だけだ。
以来、紙飛行機も鶴も折れないまま今に至る。そしてこの27年生きて分かったことがある。
鶴が折れなくても生きていけるし、人権もある。28歳にもなれる。
…28歳になりました。ありがとうございました。
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